「ー…い…おいっ!」
「は、はい!」
誰かに体を揺すられ、意識を戻した。
「何やってんだ…?オーダー入ってるぞ」
驚きながら顔を上げると、普段無口な佐伯さんが話しかけていた。
「え、あ、すみません!今、やります!」
はぁ…。
何やってるんだろう…アタシ。
今、バイト中なのにー‥。
この頃、何をしても力が入らない。
まるで、魂が抜けた殻みたいにー‥。
常盤がアタシの目の前から消えてから、ちょうど7日間。
あの夜、意識が不安定なまま家に帰って…
ずっと、常盤のことを考えていた。
あの別れ際に寂しそうに微笑んだ顔が忘れられない。