そんな‥だってー‥ 目の前にいるのは常盤。 さっきまでいたのは瞳の色がブルーの狼…。 常盤は瞳の色が淡い紅色。 どう考えたってこの状況が可笑しい……。 「璃子‥?大丈夫だよ?」 常盤はそう言ってアタシの頬に手を伸ばす。 微かな温かい体温。 指先から常盤の思いが伝わる。 人間の暖かさー‥。 なのに、さっき見た現状が頭から離れない。 もしかしたら、常盤は人間じゃないかもしれない。 そう思うと、常盤が怖かった。 アタシは一歩後ろに下がり、口を開いた。 「常盤は……人間、だよね?」