目一杯大声で叫んでみた。



それでも、反応がない。




もう一度呼んでみようと思って口を開こうとすると、





「俺のこと、呼んだーー?」




上から聞き覚えのある声がした。




「な、なんで‥常盤?」




上から聞こえたその声は、コンクリートの壁に座っている常盤だった。





追いかけたのは確かに、狼だったー‥



なのに、あのオオカミくんは…



実は昨日拾った常盤だったー??




一体、どういうことなのーー??





「璃子‥迎えに来たよ?」




常盤はそう言って軽々と上から降りてアタシのもとへ近づいてきた。





え…?


本当に常盤なの…?



驚きを隠せず、アタシはただただ常盤の顔を見つめる。