執事_HOLIC!


コンクリートの床に寝転がり、視界いっぱいに広がる空を見上げる。
壮大で途切れる事のない世界を見ると、自然と自分の中のもやもやしたものなんて、すべて浄化される気がするから。


麗はどうして、あたしなんかの執事なんだろう。

あたしにはもったいない、と素直に思う。

ただお父様の言うことを聞いて。
ただ流されるままに親の敷いたレールを歩いている。
かと言って特に対した夢もない。
本当にただの何の取り柄もない、お嬢様。


あたしからお嬢様を取ったら、何も残らない。



「…何でなんだろ…」


はぁ。と重いため息をつくと、視界いっぱいに広がっていた空が、一気に麗に変わった。

「どうされたんですか?」