そんな学校にも、未練はある。
お嬢様としてではなく、ただの一人の学生として通っていた頃の楽しかった時間を思い出すと、今でも戻りたいと思う瞬間がある。
そんな学校での思い出をぼんやりと考えながら歩いていると、小さなカフェの前に溜まっている同年代ぐらいの学生と目が合う。
見慣れないチェック柄のプリーツスカートと、紺色のカーディガン。
真紅のネクタイを緩めに締めた、ありがちな可愛い着こなし。
仲間たちと騒ぎ合っているうちの一人が、ぱっと顔を上げてあたしの方を見た。
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