【短】叶うなら

「触るな!!」




哲也さんの怒鳴り声が部屋中に響き渡る。





あたしは、手を離していた。




「どうして・・・」




「・・・あの日から・・・お前の声が頭からまとわりついて、はなれないんだ・・・。俺たち・・・友達だっただろ?友達のままでいてくれよ・・・。」





哲也さんは、顔を隠す様にして、言った。




「お願いだから、もう俺の前に現れないでくれよ・・・」




あたし・・・そんなに、苦しめてたんだ・・・







正直、現れないでって言われて、かなり傷付いたけど、哲也さんの心の痛みに比べたら・・・






もう・・・普通に話しすら出来ないんだね。