息を切らし、歩きながら答える


「わかった…とりあえず送るから乗れ」


冷たい表情の和真が少し恐かった


「うん…」


和真の後ろ…最後になるのかな?


私…意地張りすぎたかな?


でも、私、悪くない


「ちゃんと掴まれ」


「う、うん」


遠慮がちに掴まっていた私は、いつもの様に、和真のお腹に両手を回し、右の耳を背中に付けた


トクトクトクトク────…


和真は静かにチャリを漕ぐ


私は何も言わず、和真の心臓の音だけを聞いていた