「うそ、全部嘘。
たぶん康太の子供
でも、大丈夫、安心して。
妊娠したからって結婚してなんてそんなずうずうしいこと言わないから。
重い女とか思われるの嫌だから。
だから別れて。
もうあたしの家にも来ないでね。」
それだけ言うとあたしは康太の前から姿を消した。
これですっきりしたな。
てか、今日のつわり酷い……
大学の廊下であたしは意識を失ってしまった。
次に目を開けたのは前に行った産婦人科のベッドの上だった。
「起きた?」
看護師さんが聞いてきた。
「先生呼んでくるから待っててね。」
なんであたしここにいるんだろう。
あ…大学で倒れちゃったんだ。
誰がここまで運んでくれたんだろう…

