「遅刻だ遅刻だ!遅刻しちゃうよぉ!!」


ふと聞こえた声に、笑香は振り向いた。


その目に映ったのは、人間・・・・・・の姿をしたウサギ!?


「な・・・なにあれ・・・」


確かに服を着て、2本足で走ってくるのだが、白くてピョコンと立った耳、後ろにはフワフワしたシッポまである。


・・・・・あやしいけど、声をかけてみようか。


「あっ、あのお・・・」


「遅刻だあああああああっ!!!」


そのウサギ(?)は笑香には目もくれず、すごい勢いで笑香の前を走り抜けていった。


「・・・なっ!?何だったの?今の・・・」


ビックリした笑香はその場に座りこみ、もう一度辺りを見渡した。


「・・・・・・・ここ・・・どこ?」