ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




けど・・・正直焦っていて・・・



その癖、
自分の気持ちに素直になれないオレは、


「山科は・・・女の子には優しいと思うよ。」


なんて、

建前的に

ヤツを勧めるようなことを
言ってたりして・・・。





「そうかもしれんね・・・。
 食事には
 行こうと思ってるんやけど・・・。」

語尾がはっきりしないクミちゃん。



「やめときなよ」

って言って欲しかったんだろうな・・・
って今なら解るのに、

その時のオレには
そのセリフが言えなかった。



「ご飯、奢ってもらえばええやん」

って、更に勧めてどうするんだ?

自己嫌悪に陥りつつ
クミちゃんから漏れ出る言葉を待った。