今日でクミちゃんはこの現場を離れる。
オレはあと1ヶ月くらい、
この町での生活は続くけれども
オレとの接点はなくなるんだ・・・。
その日も何度かクミちゃんと
二人になれた時間があって、
その度にクミちゃんはもどかしそうに
オレのことを見ていた。
なんと答えていいか
態度の煮え切らないオレ。
クミちゃんは職場での
山科の評価に気づいていた。
山科は・・・
オレが言うのも何なんだけど、
現場監督には向いていなかった。
オレ達監督連中の間でも
そのことはよく話題になり、
そして所長はしばしば雷を落としていて、
クミちゃんもそれを目の当たりにしていた。
だからきっと・・・
クミちゃんはオレに助けを求めていたんだ。
山科との関係を否定してほしかったんだ・・・。
