だけど、
オレの知らない間にコトは起こっていた。
それは、
クミちゃんが現場を離れる前日のことだった。
「高岡さん」
ちょうど他の監督さんも
みんな現場に出ていた時に
クミちゃんに話しかけられた。
「どうしたん?」
「あのね、実は・・・、って
誰にも言わないでくれますか?」
「え?!何なに?!!」
普段の軽いノリじゃない、
何かがそこにはあったのに、
オレはいつもの口調で返事をしてしまった。
そのオレの安っぽい受け答えに
「あの・・・
山科さんのことなんですけど・・・。」
言いにくそうに話始めたクミちゃんから
聞いたのは
2週間以上も前に山科から連絡先を渡され、
時々電話してたってこと。
