ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




「キャ~~~」



掃除してるはずのクミちゃんの悲鳴。


どうやら、黒いアイツがでたらしい。

ゴキ○リ・・・。


オレだって出会いたくない相手だが、


「お願いです。
コレだけは私どうしてもダメ
なんです。」


って震える声でオレの作業着を
引っ張ってる彼女をみたときには、


セコイかもしれないけど、
山科がいなかったことに

密かにガッツポーズしてたんだっけ・・・。





片付けようとしたゴミを
わざと彼女の目の前に突き出したオレ。



そんな態度に、
怒りながら泣きそうになりながら、

腰を抜かしかけて
ふにゃふにゃと床に座り込むクミちゃん。



「やめてくださいよ、もう・・・」



って、
オレの背中をバンバンってたたく
彼女の手のぬくもりに





忘れかけていた何かが、



心の中ではじけた気がした・・・。