「キャ~~~」
掃除してるはずのクミちゃんの悲鳴。
どうやら、黒いアイツがでたらしい。
ゴキ○リ・・・。
オレだって出会いたくない相手だが、
「お願いです。
コレだけは私どうしてもダメ
なんです。」
って震える声でオレの作業着を
引っ張ってる彼女をみたときには、
セコイかもしれないけど、
山科がいなかったことに
密かにガッツポーズしてたんだっけ・・・。
片付けようとしたゴミを
わざと彼女の目の前に突き出したオレ。
そんな態度に、
怒りながら泣きそうになりながら、
腰を抜かしかけて
ふにゃふにゃと床に座り込むクミちゃん。
「やめてくださいよ、もう・・・」
って、
オレの背中をバンバンってたたく
彼女の手のぬくもりに
忘れかけていた何かが、
心の中ではじけた気がした・・・。
