その夜は、会うことはやっぱり叶わなかったものの、オレ達は電話で何時間も話をした。 「キスしたい」 と言うと、 『チュッ』 というリップ音がオレをくすぐる。 彼女のそんな反応が嬉しくて、オレは求める言葉を次々とクミちゃんに届けた。 触れ合っていないもどかしさ。 それでもクミちゃんの吐息が耳元にこぼれると、オレの気持ちはどうしようもなく高まって行ったんだ。