店を後にしたオレ達は、それぞれのカップルにわかれて、車に乗り込んだ。



いつものように、クミちゃんを家の前まで送って行ったんだけれども、今夜は彼女を帰したくなかった。



柚月チャンとケイが今頃どんな風にHしてるんやろ、とそんなことを考えてしまって、ひどく悶々としていたから。





刺激されたし、自然な恋人の二人が羨ましかったんだとも思う。


でも、

オレにはやっぱり一線を越えることはできなかった。




だけど離れたくなくて、いつまでも、誰に見られることもなくキスを繰り返していた。





この恋の中で、一番『恋人』の関係を楽しめていたのかもしれなかったのが、この夜だったんだ。