~~~アキラside~~~

その日、助手席に乗ったクミちゃんは心なしか笑顔が強張っているように見えた。



だけど、オレの緊張はそんなものじゃなくて・・・。

ナビをしてくれるクミちゃんの声を聞き取るのがやっと。



『柚月は美人だよぉ。』

と聞いていたことが、余計に、オレの落ち着きを奪っていた。

って、彼女の友人に何を期待してるんだ?オレ・・・。

そう一人苦笑した時、

「あ、柚月だぁ」

とはしゃぐクミちゃんの声に、我に返る。




その視線の先に、髪が長くて細身の女性の姿が確認できた。


窓を開けて手を振るクミちゃん。



オレは近くまで車を走らせ、停車させると、挨拶のために車を降りた。

というよりは、すーっと柚月チャンに引き寄せられた感じだった。