ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




シンさんとはオレが監督って仕事を始めた当初からの知り合いだった。

もちろん、オレに嫁がいることも知っていて、家族ぐるみのつきあいもある。


それだけつきあいが長いから、今のオレの胸の内を、見透かされてしまいそうで怖かった。




例えバレたとしても、からかわれるだけ。




けれど、クミちゃんとのこと、遊びではないと思っていたから、軽口をたたかれるのは嫌だったんだ。




シンさんと一緒にパチンコに行く時は、打ち終わった後、食事を食べに行くのがオレ達の間での自然な流れ。

そんなわけで、今夜、クミちゃんと会うことは難しくなったなぁって思いながら、シンさんの後ろ姿を確認して、メールを送った。