ふいに、そんなことを言いだすクミちゃんの顔を驚いて見ると、


「冗談よ。」


って笑っていた。




「いろいろ考えてたんだ。

アキラのことを失いたくないから、最後までは・・・しないよ。

それでも十分にお互いの気持ちは伝わってると思うし、感じてるでしょ?


実はさ、昨日、柚月に言われたんだよね。

『クミはどうしたいの?』って・・・。


私、今までHから始まる恋しかしてなかった。

だから、相手のことを欲しい気持ちってのが、どういうものなのか、よくわかんないんだ。


今、少しもどかしい時もあって、それが『欲しい』って気持ちなのかなって思うけど・・・。

それでも今、満たされてもいるから・・・・。



アキラの気持ちもよくわかってるつもりだから・・・。


だから、最後まではしないし、求めない・・・。

今はアキラが必要だから、アキラのことを失うようなことはしたくない・・・。」