ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




その後は二人とも同じ気分だったようで、選ぶ曲はほとんどがバラードだった。

クミちゃんにリクエストされた曲も数曲あった。

歌っていると、とても熱心に聞き入ってくれている彼女がそこにいて、オレは嬉しくなっていた。



それが、何曲目のことだったかははっきりとは覚えていない。

間奏が流れている時にふいに目が合った。



彼女の瞳の奥にはキラキラと光るものがありオレはすぅーっと引き寄せられていって・・・



思わずキスをしてしまった。





それはもう、すごく長く付き合っている彼女に、普段からしているような自然な流れだった。

けれど不意打ちだったようで、クミちゃんは目をまん丸にして驚いていた。

あんまりにも彼女がびっくりするもんだから、オレも照れてしまって、また二人して笑ったんだ。