ハンドルは握るものの、道案内は相変わらずクミちゃんの担当。
だけど、だんだんわかってくる町の構造に、オレは落ち着きを感じていた。
トンネルを抜けると、すでに2度目のこのお店。
前回は和風の部屋だったけど、今夜はバーを思わせるような雰囲気の部屋を選ぶ。
大きい画面が二つ並び、オレ達は向かい合わせではなく、肩と肩、膝と膝が触れあうように、隣に座って手をつないでいた。
クミちゃんに促され、最初に二人でデュエットを歌った。
「友達と来る時は私が男性パートなんだぁ。」
って笑ってるクミちゃんだったけど、遜色なく女性パートも歌えるのだから、絶対音感あるっていうのは、一つの才能なんだなぁ、って感心していた。
