ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




ハンドルは握るものの、道案内は相変わらずクミちゃんの担当。

だけど、だんだんわかってくる町の構造に、オレは落ち着きを感じていた。


トンネルを抜けると、すでに2度目のこのお店。

前回は和風の部屋だったけど、今夜はバーを思わせるような雰囲気の部屋を選ぶ。



大きい画面が二つ並び、オレ達は向かい合わせではなく、肩と肩、膝と膝が触れあうように、隣に座って手をつないでいた。






クミちゃんに促され、最初に二人でデュエットを歌った。

「友達と来る時は私が男性パートなんだぁ。」

って笑ってるクミちゃんだったけど、遜色なく女性パートも歌えるのだから、絶対音感あるっていうのは、一つの才能なんだなぁ、って感心していた。