~~~クミside~~~
目の前を1台、また1台と闇にヘッドライトの光を浮かべては消えていく。
その光の先にウインカーの合図とともに近寄ってくる車が見えた。
すーっと私の近くまできて停まるその車の助手席に滑り込んだ私は
「おかえり」
って言葉をかける。
「ただいま」
って声が聞こえてからようやくチラリと顔を見る。
そこには変わらないアキラの笑顔があって、
「ん?」
って反応してくれる。
その一瞬目が合った。
たったそれだけのことだけど、私はなんだか安心することができた。
というより、もやもやと私の心を占めていたものが、すうーっと引いていくのを感じたんだ。
