ひと夏の恋~満月の夜から始まった28日間の奇蹟~




もう21時がくる。


ちょっと遅くなったなぁ、と思いつつ、車に乗り込みエンジンをかけてK町に向かう。



一つ目の信号で連絡をとった。

「いつもの道路脇で待ってるね。」


って明るい声が返ってきたから、クミちゃんが抱いている不安な気持ちに、これっぽっちも気づいてなかった。



だって、オレ自身は気持ちの変化がなかったんだから・・・。



この頃オレはクミちゃんに対しての気持ちは、揺らぐことはないと感じていた。




そう。


自分自身の中に芽生えたその気持ちを自覚して、認め始めていたんだ。