もう21時がくる。 ちょっと遅くなったなぁ、と思いつつ、車に乗り込みエンジンをかけてK町に向かう。 一つ目の信号で連絡をとった。 「いつもの道路脇で待ってるね。」 って明るい声が返ってきたから、クミちゃんが抱いている不安な気持ちに、これっぽっちも気づいてなかった。 だって、オレ自身は気持ちの変化がなかったんだから・・・。 この頃オレはクミちゃんに対しての気持ちは、揺らぐことはないと感じていた。 そう。 自分自身の中に芽生えたその気持ちを自覚して、認め始めていたんだ。