~~~クミside~~~ 海からの風が爽やかに吹き、水面がキラキラと輝いていた。 整備された緑地の広がるその場所には、何人かの先客がいて、皆思い思いの時間を過ごしているようだった。 誰にも邪魔されない二人の時間・・・。 磯の香りが私たちを包んでいた。 橋の袂で夏の日差しを受けながら、そっと手をつなぎ海に浮かぶ船を眺めていた。 伝えられない言葉の代わりに、私がその手をギュっと握ると、アキラもそれに応えてくれる。 それが嬉しくてお互いの想いを込めて何度も何度も握り返した。