クミちゃんは耳、首すじ、口元とオレの敏感なところを的確に突いてきた。 彼女の柔らかい唇が「チュッ」という軽いリップ音を鳴らしてオレに注がれる。車のオーディオが青白い光でそんなオレを別世界へと誘っている。 この先に待っているものへの期待と不安が入り交じりながらも、どこかで現実に踏みとどまろうとする自分もそこにいた。 「ヤ、ヤバイって・・・。」 オレは飛びそうになる意識を保つためにグッと力をいれて彼女をだきしめるのが精一杯だった。