電話を切って、信号を数えながら知らない道を進む。 ドキドキと胸が鼓動を始めていた。 クミちゃんとは毎日現場で顔を合わせていたハズやのに、なんだろう?この感覚。 さっきシャワーを浴びたばかりなのに、汗が流れてきた。 しばらく行くと水門が見えて、その前にクミちゃんが立っていた。 「お疲れ様~~」 後続の車に遠慮しながら、さっと助手席に乗ったクミちゃん。ふんわりとオレンジのシャンプーの香りが広がる。 にっこりと笑う彼女の姿に、オレは正直ホッとしてその日の疲れはどこかに飛んでいた。