何て言うか、その全てに男を感じたというか……






………って、
あたしってば、なに変態チックなこと考えてんのよ!



耀太は男なんだからそんなの当たり前じゃない!!






変な考えを振り払うように、一心に制服から私服に着替えた。






今さら、耀太に男を感じてどうすんのよ?



耀太は教師で、しかも担任なんだから。



ただの幼馴染みの時ならいざ知らず、今じゃ恋愛対象にしちゃいけないジャンルナンバー1なんだよ?






『生徒と教師の禁断の愛』


ジーンズに片足を突っ込んだ状態で、再び瑞穂の顔付きで頭の中にぽんっと浮かんできた言葉。





クッソ〜、瑞穂のバカ〜!!
すっかりあたしまでおかしな妄想が伝染ってじゃないのよぉぉ!!





瑞穂のにやけ顔を踏み付けるように、地団駄を鳴らしながらジーンズをはき、最後にキュッとファスナーを上げて、あたしは鏡を覗いた。






そこには、まだ赤い顔をした自分のしかめっ面が映っていて、しかたなくファンデでごまかした。





下からはすでに母親のはしゃいだ声がしてる。





早く降りないと、不審に思って部屋まで呼びに来そうな雰囲気。






「う〜ん…………よしっ!」






しばらく鏡とにらめっこして気合いを入れると、あたしは無理矢理笑顔を作った。






あたしは、生徒。



耀太は、担任。



この家の中では、ただの幼馴染み。



それ以上でもそれ以下でもない!






今現在の関係を、しっかり脳みそにインプットしながら……







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