「なっ、なんで耀太が……!?」






「それより楓!ようちゃんから聞いたわよ!
2人とも同じクラスなんですってね?」






あたしの言葉を遮って、嬉しそうにテーブルから身を乗り出す母親。
もちろん片手には、いつものビールが握られている。





そのまるで2人が初めて同じクラスになった生徒同士だというような言い方に、眉間にシワを寄せて母親を睨む。





「同じクラスじゃなくて、生徒とその担任です!
っていうか、まさか2人とも知ってたの?耀太の就職先がうちの学校って……」





もうひとつの驚愕ポイントを軽くスルーした母親に、嫌な予感がした。





普通なら、まずはそこから話すよね……?






「うん、もちろんよ」






案の定、Vサイン付きで頷く母親に、軽い目眩を覚えてしまう。







「はぁ!?何で言わなかったのよ!!
知ってたんなら、教えてよっ!
おかげで大恥かいたんだからっ!」






「恥?なんの恥?
なになに、楓の面白い話?」






興味深々の母親は、さらにあたしの怒りを倍増する言葉を吐いた。





「恥をかくほど驚いたの?
よかった〜、作戦成功ね!
いつもクールぶってる楓を驚かすために、ようちゃんには、あたしから新学期まで口止めしとくようにってお願いしたのよ。
担任ってのは今日聞いたから、お母さんもビックリしてビール噴き出しちゃったけどね♪」





キャハッと笑う母親を、いまだかつてここまで憎いと思ったことはない。






ビールぐらい家中で噴き出しとけ!
あたしなんて、全校生徒の前で恥かいたんだからねーーー!!!







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