大きなスポーツバッグを肩に斜め掛けした淳弥は、今にも走りだしそうな勢いで、ドアの向こうで足踏みをしている。







っていうか、あたしが笑われたのって、この男にもかなり責任があると思うけど……?







「部活の前に昼飯食いに行こうぜ」





「わかった。すぐ行くから下駄箱で待ってろよ」






「はいはい。もし3分以上俺を待たせたら、ヒロキのおごりな〜」





「はぁ!?アホかっ!」






そんなやり取りを聞きながら、あたしも素早く荷物をまとめる。
今日も当然、このあとご飯を食べて瑞穂とカラオケで熱唱する予定なんだ。






「ほらっ、早く行かないと淳弥を喜ばせちゃうよ?
また明日ね」






「ああ、うん……」






まだ何か言いたそうなヒロキの背中を押して、笑顔で送り出した。






さあ、あたし達も出動だ!!





ふと瑞穂を見ると、「ムフフ…生徒と教師の禁断の恋……」とまだまだ妄想の真っ最中らしかった。






こンの妄想娘めっ!!
勝手に人の恋愛を想像するな〜〜!!!








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