「そういうことですので、ここに居る2、3年の皆さんも気軽に柿山先生まで質問しに行きましょう。
続きまして、3月に退任された西村先生に代わって、新しく化学の担当に着任して頂く先生を紹介します」





教頭の前置きに、一気に緊張が走る。







お願い、いたって普通の先生が出てきますように……



できれば優しそうな……







胸の前で手を組みながら目を閉じて、ゆっくり前を向いた。







キャアッ…と黄色い悲鳴が上がったところをみると、現れたのはきっと男の先生なんだろう。





「ただいま、ご紹介に預かりました……」






予想通りの低い声。







恐る恐る目を開けた……







「石橋 耀太と申します」







…………





…………!?!








「ギャアアアア!!!!!!」








キャアキャアという声に混じって、あたしの絶叫が体育館中にこだました……-――








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