誰………だろ?
首を捻って教師の顔振れを思い出してみる。
他のクラスの3年担任は省くとして……
あれ?あと、誰がいたっけ?
3、4人はポンッと浮かんできたのに、他に30人以上は居るであろう教師の顔がまったく浮かんでこない。
ここまで記憶力が悪いとは、正直、自分でも思わなかった。
ううん、きっと春ボケしてるだ……
絶対そうだ……
悩むフリをしながら、軽く自分をなぐさめてみる。
「誰か思い当たる人、いた?」
笑顔で尋ねる園子に、苦笑いを浮かべてぶんぶんと首を横に振った。
「あたしはねぇ、にっし〜の代わりに来る新しい男の先生じゃないかって思うんだ…」
そう言った明日香に視線を向けると、何やらにまにま笑っている。
「明日香ったらそればっかり!
確かににっし〜の代わりに化学の先生が来るとは思うけど、必ずしも男なわけないでしょう?それにハゲたオッサンかもしんないよ?」
「んなわけないっ!絶対若い男の先生だって!しかも白衣が超似合うような……」
最後は両手を添えて遠くをうっとり見上げてる明日香。
自他ともに認める、かなりの“白衣フェチ女”。
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