「おはよ!楓」
「おっす!」
新しい教室に入ると、去年と変わらないメンバーが笑顔で迎えてくれてほっとなる。
そう、この学校、クラス替えは2年に上がる時のみなんだ。
だから人見知りが激しいあたしも、机の間をぬうように歩きながら笑顔でおはよ!と挨拶し返した。
席順も3学期のまま皆利用しているらしい。
自分もそそくさと1番窓際の後ろから2番目の席に鞄を置いて、何かの話で盛り上がってる園子達の方へと向かった。
ちなみに、後ろの席の瑞穂はまだ来ていない。
「なんの話してんの?」
「あっ、楓、おはよ。
今ね、新しい担任誰だろう?って話してたんだ」
「担任?ああ、そっか…
にっし〜居なくなっちゃったから新しい担任になるんだよね……」
耀太に気を取られ過ぎて、自分達の状況忘れてたよ。
本当なら、クラスも担任もだいたい持ち上がりなんだけど、去年のにっし〜が辞めちゃった今、このクラスには新しい担任が就くはずで。
これでも一応受験生のあたし達にとっては、結構重要問題。
「楓は誰だと思う?」
`

