乱れた呼吸をなんとか整えて、負けじと眉根を寄せて瑞穂を見返す。
そんなあたしを、瑞穂は鼻で笑った。
「前々から思ってたけど……
楓って妄想激し過ぎ〜〜!」
なっ!?どっちが!!
「本人から聞いてないくせに、なんでそう突っ走るかなぁ?
はっは〜ん、さては耀太のことになると、現実が見えなくなるんだ?楓って……」
さっきまで妄想で激しく身もだえてた女が言ったとは思えない発言に、あたしは声を荒げた。
「ぶぁっかじゃないの!
あたしは状況で推理してるだけ!だいたい本物の耀太も見たことないくせに、瑞穂の方が勝手に妄想してるんじゃんっ!!」
はぁはぁと肩で息をしているあたしを、「どうどう…」とまるで馬を扱うようになだめる瑞穂。
「言いたいことはわかったから……
仮に耀太の就職先を荒れてる男子高にしたとして、でも、心配する相手はなにも女子生徒だけじゃないんだよ?」
心配する相手?
この女、今度は何が言いたい……?
「同僚の女教師の方が、もっと身近で、もっと危険な感じじゃな〜い?」
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