あたしはその頃2年になったばっかりで。






新しいクラスにまだ違和感を感じて、なかなか友達と呼べる子が出来なかった。





上辺だけの付き合い、愛想笑いの日々。






腹の探り合いみたいな状況に、疲れてしまった心を癒すべく、ハマったレンタル屋通い。






そこで、2人目の彼氏になる坂田 吾郎と出会った。






店で会う度に、話をするようになったあたし達。







吾郎は1コ上で、違う高校の3年であることを知った。






そしてある日、店から出てきたあたしの自転車に、私服姿の吾郎がもたれていた。






『何、してんの?
今からバイトなの?』






『お前待ってたんだよ』







ぶっきらぼうな口調に似合わない赤い顔が、印象的だった。






『俺と、付き合わねぇか?』






その言葉に、迷うことなく頷いた。






こうなる予感があったっていうか。
時たま見せてくれる笑顔に、結構キュンキュンしちゃってたから。






その日からあたしは、ツンツン男、坂田 吾郎の彼女になった。








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