優しさは時に残酷だ。







こと男女間においては、それは優柔不断にしか見えない。






受験という壁でなかなか会えなくなってたあたし達は、そこからさらにぎくしゃくした関係になった。






あたしが告白場面を目撃したなんて微塵も知らない笠井君。






あたしも特に問い詰める気も起きなかった。






その時点で、あたし達の行く末は決まってたのかもしれない。






別々の高校に進学したのをいいことに、そのまま自然消滅した。






優しい笠井君は、別れも切り出せない軟弱野郎だったんだ。






1年8ヶ月も付き合ってたあたし達。






別れにありがちな恨みも悲しみも残さなかった。







`