「じゃあ、簡単にルールを説明しま〜す!
今配ったクジの順番に、学校では言えなかった秘密を、思い切って暴露していただきま〜す」
陽気な淳弥の声にブーイングが起こる中、あたしはあの2人から一番離れた場所で、膝を抱えてとことんブルーになっていた。
………うう〜…やっぱり理恵は耀太のことが……
さっきの絡み合うような2人の姿が目に焼き付いて離れない。
「ちょっと楓、あたし達がせっかく絶交のチャンス作ってあげたんだからさ、ヒロキの言ったことなんて無視して暴露しちゃいなさいよ」
なんの事情も知らない瑞穂が横から肩を突いてくる。
「いや……いいわ……」
「なんで?ケンカしたから?」
「ううん……。もしこの中に耀太のことを本気で好きな子がいたらさ、やっぱ悪いじゃん……」
多分居るからね、あっちの方に……
「そんな人居ないって。居たとしてもさ、しょうがないじゃん?ようちゃんが選んだのは楓なんだから」
そうかもしれない。
だけどさ、あたしがもし理恵の立場だったら、なにもこんなとこで発表しなくてもって思うもん。
それに−−−
「あと2,3日もしたら、あたしと耀太は別れてるかもしれないよ………?」
色香漂う理恵にあんだけ迫られてたら、耀太だって男だもん。
グラグラしないわけがない。
ましてや比べる相手があたしだなんてさ。
月とすっぽん?色気と食い気?
「意味わかんない。アンタさ、今頃何言ってんの?
せっかく実った恋を、そんな簡単に失くしていいわけ?」
「よくない、よくないけど……」
恋なんてうつろなものだって言うし………
この先どうなるかなんて、本人達にもわかんないもんだよ………
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