ぼたぼた涙を流すあたしの口を塞いだまま、



実はずいぶん前からあたしのことが心に引っ掛かっていたこと、



就職を決めたのも、それが恋愛感情なのかを自分で確かめたかった気持ちがあったこと、



4月には、それが恋なんだと確信したこと、



でも卒業までは伝えないと決めていたことなど、



あたしの涙を止めるどころか逆に助長させる言葉を、耀太はゆっくりゆっくり話してくれた。





あたしと、おんなじ気持ちだったんだ……





大きな感動と喜びが胸に込み上げつつも、いい加減、苦しくてもがき始めたあたしを見て、はっとしたように口を解放してくれた耀太は、





あたしがぜぇぜぇ言ってる横で、





「悪い………
批判されんのが怖くてつい……」




と、バツが悪そうな顔をした。





「……ひ、批判…?」



「教師のくせに、とか、ロリコン、とか……」



「ぷっ…、耀太はロリコンなの?」



「昔、楓の話してたら友達に言われてさ……
軽いトラウマ」



「あたしの話?いくつの時?」



「んー-…、高2かな」





ってことは、あたしが小6の時か……





「そりゃ微妙にロリかも……」



「マジで…!?
楓本人にまで言われるなんて、俺ってかなりヤバイ奴かも………」





あからさまにずどーんと落ちていく耀太。






その様子にクスクスと笑いを漏らしつつ、あたしは今、耀太にこの想いを伝えたいと思った。






「そんな耀太が、あたしは大好きです」








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