頭だけって……
もしかして、頭の文字だけってこと……?
ってことは……
次の文字は“キ”か……
2つを並べると………
「って、えええ…フガフガ……」
「住宅街で叫ぶな……」
あたしの口を塞ぐ耀太の大きな手。
こんな状況で、あたしが叫ばないわけないじゃんかっ!!!
だって だって……
答えは−−−
「すき、だ………」
そう呟く耀太の瞳が、真っすぐにあたしを捉える。
暗くて表情は読み取れないけれど、瞳だけはやけにキラキラ光って見えた。
どうしよう……!!
これって………逆告白!?
完全にパニクってるあたしの体は、口を塞がれたまま石みたいにカチカチで。
寒さとか、息苦しさとか、もうどうでもよくて……
「俺が伝えたかったこと、理解してもらえた……?」
「…………」
「楓が、好きだ……」
「…………」
なにも言い返せない代わりに、あたしの目からは次々と涙が零れていった−−−
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