学校では、あのピンクのネクタイに黒のスーツで決めていた耀太も、今はいつもと変わらぬジャージ姿になっている。
「ネクタイ、評判どうだった?」
「かなりよかったよ。
中村先生も、来年はピンクにしようかなって言ってたくらいだし」
「えっ!?ブルが!?
いくらなんでもそれは………」
ブルにピンクのネクタイ……?
似合ねぇぇぇ!!!
「ああ、俺もさすがにマズイと思って、オレンジ勧めておいた」
「オレンジも微妙だけど、まあ、ピンクよりマシか……」
にしても、コクるなら今が絶妙なタイミングじゃない?
親に聞かれる心配もないし。
星は綺麗だし。
しちゃおっかなぁ……告白。
2人並んで歩きながら、あたしの気持ちが告白へ向けて徐々に盛り上がりそうになった時、いつかの公園の前へと差し掛かったところで、おもむろに耀太が例の言葉を発した。
「宿題……」
「やっ、えっ、ううっ……、まだ解けてません……」
「だろうな、その様子じゃそうだと思ったよ。
答え合わせに、公園寄ってくか……」
そう言うと、耀太はさっさと中へと入って行く。
「なんで答え合わせを公園でするのよ……
するなら告白の方だって……」
わけがわからず、小声で愚痴りながら後に続くあたし。
3月といっても、月替わりしたばかりの夜は、まだまだ寒さがハンパなくて、
「へぇっくしゅ……」
瑞穂によくバカにされたくしゃみが一発、綺麗な星を浮かべた夜空に響いた。
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