「それより、2週間後だよ。
やだな〜、気まずいな〜、今日コクるのやめようかな〜」





あまりの気の重さに、ふとあたしが弱気発言をすると、途端に瑞穂の顔色が変わった。




「バカ言ってんじゃないわよ!
だいたい、そんなことぐらいで、あたしの密かな楽しみ奪わないでくれるっ」



「…………」




「あれぇ?な、な〜んちゃって……」





へぇぇ、あたしの告白って、瑞穂の楽しみだったんだぁ………?





「あっ、もうこんな時間!
ほらほら楓、帰んなきゃご飯始まっちゃうよ」




あたしのジト目を軽くスルーして、瑞穂はさっさと荷物を抱え込んでいる。




「え〜〜!どうせまだ宿題も解けてないし……」



「なに言ってんの!そんなの家帰ってからにしなさいよ。
告白の準備とかでなにかと忙しいでしょ?
そうそう、ようちゃんにヒントもらえばいいじゃん?」



「あの耀太がヒントくれると思う〜?
だいたい、この宿題のせいでコクるタイミングまでわかんなくなってんのに……」





頭の中のシュミレーションでは、ウチでささやかな卒業祝いパーティをやった後に、耀太にはこっそりコクろうと思ってたわけで。




宿題の答え合わせなんて、予定外だし。




問題解かないと、熱血耀太はいつまでも解放してくれそうもないし。





なにもかもが、あたしにとっては大番狂わせだよ。






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