担任の耀太の登場により、そんなお祭り騒ぎは治まるかと思いきや−−−




「ようちゃんさぁ、俺の名前さっき“じゅんや”って呼ぼうとしたでしょっ!!」




この淳弥(アツヤ)の言葉を皮切りに、




「あたしの名前も“理央(リオ)”なのに、『りおう』って妙に伸ばしてくれちゃってさ〜」



「俺の名前なんて、噛み噛みだったよな!」




出るわ出るわ、卒業証書授与の際の耀太の不手際問題発言。





「ホンっト、悪い!!」



「「最後くらい、しっかりしろよな〜〜〜」」






恐縮して頭を下げる新米教師に、叱咤する生徒達。




でもね、みんな口ではそんなこと言いながら、顔は笑ってるんだよね。




だって、みんなの顔には“ようちゃんのことが大好き”って書いてあるもん!




だからね……耀太、早く頭上げなよ……





「……お前ら…」





「………っ…」




教壇の上から、ゆっくり周りを見渡している耀太の目に、薄っすら涙が浮いているのを見て、どこからか嗚咽が漏れ始めた。




それが合図だったかのように、教室は涙涙の大合唱に。





「改めて……卒業、おめでとう!!
それから、こんな俺なんかを受け入れてくれて、本当にありがとうございましたっ!!」




深々と頭を下げた耀太に、惜しみない拍手が巻き起こった。







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