「ったくぅ、アンタ相当バカじゃないの!
あたしがあんなにアイコンタクト送ってやったのに」



「えっ??ただ睨んでたんじゃないの?」



「違うわよ!
“そろそろよ”って言ってたの!」





なんだ………
“もじもじしてんじゃねぇ!”
じゃなかったんだ……




「誠に申し訳ないです……」





無事?に式も終わり、あたしは今、教室で担任の耀太が来るのを待ってる状態で。





さっきの失態を、こっぴどく瑞穂に怒られてる真っ最中だったりする。






「最後の最後まで……
ホンっトに世話のかかる親友だこと……」



「み゙、瑞穂〜〜〜!
あたし達、これからもずっと親友だよね?ね?
一生親友だよね゙ぇぇ」






いくら怒られてるとはいえ、やっぱり今日は卒業式なわけで。






あたしも瑞穂も、ちょっとしたこと、とくに『最後』なんて言葉で、すぐに涙腺が緩んでしまう。





あんなに嫌いだったブルが、学年主任として“最後”の挨拶をした時も、なにげに泣いてしまったし。





今日はマスカラ付けてこなくてマジよかったよ。





付けてたら−−





「楓のバカ〜〜!
あんまり泣かせないでよ〜〜!
一生親友に決まってるじゃな゙い゙ぃぃ」






瑞穂みたいに“真っ黒パンダ”になるとこだったし。






瑞穂には悪いと思いつつ、その顔を見る度、こっそりほっとしてしまうあたしだった。






`