カサカサ カサカサ−−−
………んん?あれ?
今、あたしってバイト中だったけ……?
すぐ傍から聞こえてきた聞き慣れた音に、一瞬混乱しながらそっと目を開くと、
「よっ!」
「??……っ!?!うわっっ!!!」
超至近距離に耀太の顔を発見して、どたっと派手にすっ転んだあたし。
マジでまぬけ。
そんなあたしをクスクス笑いながら見ている耀太の手には、なぜかパンの袋が握られていて。
これでさっきの音の正体はわかったんだけれど。
「あれ?もしかして、パン食べちゃった?
っていうか、あたし、もしかして寝てたの?」
「ぷっ……、寝てたから、起きたんだろ?
パンは腹減ったから勝手に食った。悪い………」
「いや、全然食べてくれていいんだけどっ…!
なんていうか、こっちこそゴメン。
おかゆ作ってあげようと思ってたくせに、病人と一緒に寝てしまうなんて……」
あたしは、ほとほと自分に呆れてしまった。
マジで自分が情けないよ………
せっかく自動車学校サボったのに、看病の“か”の字もろくに出来ないんだから……
落ち込むあたしを気遣うように手をさしのべながら、
「じゃあ、今からでもおかゆ作ってよ。
パンだけじゃ足りないかも」
お腹をさすってみせた耀太は、最近ほとんどまともなもん食べてなくて、と付け足した。
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