寝込んで欲しい、とは願ったけれど、なにもここまで悪化させなくてもいいじゃんっ!
なんて神様?にぼやきつつ、耀太のオデコに当てたタオルを変えてあげると、
それはとても温かくなっていて、どれだけ高熱を出しているかがわかってしまう。
「……ハア…ハア……」
今やベッドに横たわり、息苦しそうに浅い呼吸を繰り返す耀太。
学校で見た時とは明らかに違う様子に、胸がぎゅうっと締め付けられる気がした。
ゴメンね………耀太…
不謹慎なこと願って……
キツイよね……
辛いよね……
『耀太っ……!?』
あたしが部屋に飛び込んだ時、耀太は自力でベッドを抜け出してきてたみたいで、
『……あれ…?…楓……の幻覚……?』
まだかろうじて意識はあったんだけど、その後引きずるように熱い体をベッドまで連れていくと、そのままぎゅっと目を瞑り、唸りながら寝てしまった。
すぐに体温計を探したけど見つからず、時折『か…え…で…』と、あたしを呼んでくれるのが切なくて、あたしは傍からなかなか離れられないままでいる。
何が看病よ……
こんな時に、タオルを変えてあげるくらいしか出来ない自分に腹が立つ。
ふと視線をベッド脇のサイドボードに向けると、そこに、もらったばかりらしい病院の薬を見つけて、そのうちの1つに[頓服薬]の文字を見つけた。
一応、中を確認すると、まだ1つも飲んだ形跡はない。
よし、コレを飲ませる前にとりあえず熱を計ろう。
あたしはもう一度体温計を探すべく、部屋中をあさった。
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