「…やっだ〜、ようちゃんったらぁぁ…」






足を進めるにつれて、どんどん大きくなる母親のうかれた声。






『ようちゃん』と聞いて、あたしはやっぱりかと頭を掻いた。






石橋 耀太−−−






それが奴の名前。






3年前までウチの隣の隣に住んでた男。






今は海外赴任してるおじさんとおばさんの次男坊で、実家は一人で住むにはでかいからと、ここから歩いて3分の距離にあるアパートに住んでる、なんとも贅沢な奴。






ちなみに、空いた家は現在貸家にしてある。







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