次の日、あたしは朝から2人分のお弁当を作ってから出掛けた。






それは−−−






「よっ!おはよっ!」



「おはよう、ヒロキ。
ところで今日はどこ行くの?」





そう、あたしとヒロキの分。






「う〜ん…、強いて言うなら、海方面……?」



「なにそれ……」




なぜか疑問口調で答えたヒロキに苦笑いを浮かべながら、あたしは車に乗り込む。





「とりあえず、着いてからのお楽しみってことで……」





そう意味深に笑うヒロキがハンドルを切り、車はゆっくり動き出した。







悩んだ末、あたしが選んだのは、ヒロキとのクリスマスドライブだった。





順調に走る車内で、昨日耀太についた嘘を思い出し、あたしは小さくため息をこぼす。






『……ゴメン。
明日は瑞穂と出掛けることになってて……』



『白本と……?
じゃあ、仕方ねぇよな……
明日は野郎2人でクリスマスドライブかぁ』



『ホント、ゴメンね』




嘘ついて……





どうしても言えなかった。
ヒロキと出掛けるなんて。





うなだれるあたしに、そんな気にすんなよ、と困ったように笑った耀太は、あたしの頭を久しぶりにクシャっと撫でてから家の中へと消えた。






それがすごく切なくて、あたしは内心泣きたい気持ちで耀太の後に続いた。






でもね、その後あることを思い出して、あたしは切なさよりも、不安になってしまったんだ。







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