でもさすが勘の鋭い瑞穂。





さっきまでダラ〜としてた背筋をピンと伸ばしたかと思ったら、そのままぐぐいっと顔を間近に寄せて言った。





「それって……ヒロキの話?」



「う、うん……
25日にどっか行こうって」





小声で答えたあたしに気を使ってか、瑞穂も、ふうん…と小声で囁いている。






………っていうか、





「驚かないの?」





言うのは『ふうん』だけなの!?





あからさまに顔をしかめてみせたあたしから、ふいと視線を外した瑞穂は、カップに刺さったままのシナモンスティックを気まずそうにぐるぐる回し始めた。





「何て言うか……、知ってたから、さ……」



「なにを?」



「んとぉ、ヒロキの気持ち?かな……」






それを聞いて、今度は呆気に取られてしまった。





「どういうこと?ヒロキの気持ち知ってて、あたしに送ってもらえって言ったの?」



「あー-…うん。
あくまで推測だったからさ……
ごめん」



「マジ…で……」






どうしよう……



どうしよう……



そんなの聞かされて、行きたいとは到底思えない。
だけど“行けない”なんて今さら言えないよ……





悩むあまり、受けたばかりの試験が落ちてたら断る理由になるのに……なんてことまで考えてしまった。








`