次の日、3日ぶりに登校してきた瑞穂に、早速ヒロキの話をした。





きっと瑞穂もあたしと同じように恐縮して、すぐにでもヒロキにお礼を言いに行くと思っていたのに−−−






「へぇぇ…
やっとヒロキ動いたんだぁ……」





と、恐縮するどころか、ニヤリと笑みを浮かべて、こちらに背を向けてるヒロキを眺めている。






「『やっと』って、なんの話?
ってか、申し訳ないって気持ちはアンタにはないわけ!?」



「まあまあ。
実はウチの母親がさ、風邪を引いたのは自転車で帰ってくるからだって言い出してさ。
今日から迎えに来るって言い出したんだよね……
だから、あたしはパスね」



「えっ!?おばさんが!?」



“じゃあ、あたしも…”



「あっ、言っとくけど、ウチの車小さいからさ、自転車2台は無理だから。
よかったぁ、あたしだけ迎えって気が引けてたんだよね……
ヒロキ、グッジョブ!」






言おうとしたことを先に言われ、しゅんとなるあたしをよそに、瑞穂は親指を立てて、こちらをちょうど向いたヒロキに笑いかけている。





ヒロキは、ん?って顔をしながらも、同じように親指を立ててニカッと笑った。





うぐぐぐ…
なに2人してアイコンタクトし合ってんのよぉぉ!








こうして執事なヒロキは、不本意ながらも、あたしだけの執事、いやお抱え運転手となった。






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