その後何度も、ヒロキと何かあったのか?と尋ねてくる耀太を、あの手この手ではぐらかしつつあたしが聞けたこと。






ヒロキが受ける専門学校は、面接のみだということ。




そして、しているバイトは、実際は家のコンビニの手伝いで。
親からはどうせ後から嫌と言うほどしなきゃいけない仕事だからと断られているにも関わらず、時間が余っているという理由で、本人が無理矢理手伝ってるらしいということ。






つまり、結局聞き出せた情報は、ヒロキの申し出を断る理由とはならなかった。





しかも心配かけたくないとか言いながら、耀太には散々心配かけてしまったようだったし。





『桐島との間に何かトラブルがあるなら、すぐに相談しろよ?
俺が傍に居ること忘れんな』





帰り際に耀太が言ってくれたセリフ。





こっちは何気にきゅんきゅんしちゃったけど、言った本人は心底心配そうにしていた。






耀太には悪いことしちゃった……





あと断る理由ってないもんかな……?





受験勉強そっちのけで考えた結果、至極簡単な理由を見つけてしまった。





“瑞穂も居るのに、あたしだけ送ってもらうわけにはいかない”





そうじゃん、これが一番じゃん!





なにせウチと瑞穂の家は反対方向なんだから。





なんでもっと早く思い付かなかったんだろ?





そう思った途端、さっきの耀太の様子を思い出して、ますます申し訳ないことをしたと、ひたすらブルーに入ってしまった。






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