リラッ〇マのメモ帳に、あたしが指摘したことを千夏さんが丁寧な字で書き込むのを待ってから、おもむろに尋ねた。





「ところで、何か新しい情報ってありますか?」





もちろんこれは、ある人物のことを言ってるんだけれど−−−






「えぇっと……
そうそう、この前の土曜日に、2人が飲みに行ったのは知ってる?」



「土曜日……?
ああ、そういえば聞いたような……」



「そこで高校の同級生と会った話は?」



「えっ!?どっちの……」



「もちろん、祥ちゃんじゃなくて、石橋君の、よ……?」



「知りません!全っ然知りません!
教えて下さいっ!!
相手は男ですか?女ですか?」





あわてふためくあたしを見て、耀太の呼び名を『さん』から『君』に変えた千夏さんは、クスっと小さな笑みを漏らしている。





「楓ちゃんったら、石橋君の話になると、途端に可愛い顔するんだから……」





いやいやいや!
今はそんなあたしの反応の話とか、どうでもいいですから!





焦るあたしとは対称的に、さも楽しそうに肩を揺らして笑う、意外に意地悪な千夏さん。





っつうか、早く教えてくれ〜〜!
このままじゃ、気になって気になって、勉強どころじゃなくなるぅぅ!!





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