にっし〜が最後の出欠点呼をしている間、あたしは何となく加藤君が気になってしまった。 早いうちに呼ばれた加藤君は、今は机に突っ伏している。 失恋の痛みに耐えているのか…… にっし〜の声を、耳を澄ませて必死に記憶しようとしてるのか…… どちらにしろ、それを見てあたしの胸の奥にしまわれたはずの古傷が小さく痛んだ。 突然好きだった人を奪われた気持ち、あたしにもわかるから。 あたしも、知らない女の人に耀太を奪われたから…… `